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肩こりのその他のトピック 肩こりへの整体施術 肩こりの本当の原因としくみ

人体は、背骨によって支えられています。 背骨は、頭蓋骨の下から骨盤まで、椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨24個がつながっており、その部位によって「頸椎(けいつい)」「胸椎(きょうつい)」「腰椎(ようつい)」に分けられます。 これらの骨は一直線に連結しているのではなく、側面から見ると「ゆるやかなS字カーブ」を描いており、「生理的弯曲」といわれています。 背骨の中でも、首の7つの骨「頸椎」は、肩こりと深い関係があります。 その背骨は何に支えられているのでしょうか 2本の大腿骨が股関節を経由して骨盤を支えています。その骨盤の中央に戦骨が鎮座し、そこを基点に椎骨が積み木のように積み重なっています。 脊椎は胸の周辺で肋骨と繋がっています。そして肋骨は胸の中央にある胸骨へと連なります。背中側には2枚の肩甲骨があり、これが胸骨とつながった鎖骨・上腕骨とともに肩関節を構成しているのです。 積み木のように積み重なった骨格は絶妙なバランス(ゆるやかなS字カーブ)で姿勢を維持し、そのおかげで人間は、うまくバランスを保ち、2本足で立つことができる仕組みになっているのです。しかし、そのバランスが微妙なあまり、普段の姿勢の乱れによって簡単にそのバランスは崩れてしまいます。 猫背姿勢で首が前に出るとそれを補正しようとして骨盤が後ろに倒れ、逆に腰が沿ってしまうとその乱れを調整しようと首に無理なカーブが生じるのです。


大きな負担がかかっている「首の骨」(頸椎)

頸椎は、胸椎と腰椎に比べて、前後左右・ねじるなど可動範囲の大きさが特徴です。 また頸椎は、重い「頭部」を支えるという役割もあります。人間の頭部の重量は、成人で6kgあるといわれています。これを支えながら前後左右に動くために、頸椎には常にかなりの負担がかかり続けています。その結果、頸椎を支える特定の筋肉に疲れがたまり、コリを引きおこしていきます。 腰や肩に継続的な負担がかかり、このように凝りや痛みに繋がってしまうのです。


子供は何故肩が凝らないのか?

子供の関節組織がみずみずしく柔軟なのに対して、成人のそれは年齢とともに硬くなり柔軟性を失っていきます。つまり、不良姿勢を続けることで正しい姿勢への矯正が難しくなっていく可能性は、年齢を重ねるとともに高くなっていきます。


肩こりに関する筋肉

人間は骨格により姿勢を形作られますが、姿勢を保ちながら各部の動きをコントロールしているのが筋肉です。 肩や首周辺には、「僧帽筋(そうぼうきん)」「三角筋」「肩甲拳筋(けんこうきょきん)」「棘上筋(きょくじょうきん)」「棘下筋(きょくかきん)」など、大小さまざまな筋肉があり、これら筋肉は大きな負担ががかかりやすい仕組みになっています。 その結果、筋肉に疲労がたまって肩こりが起こりやすくなるのです。 肩は、肩甲骨(けんこうこつ)と上腕骨が作るいわゆる肩関節と、胸骨・鎖骨・肩甲骨がつくる肩甲帯とから形作られています。腕の動きはおもに、肩甲骨の関節窩の上を、上腕骨の丸い頭(上腕骨頭)が回ることにより引き起こされますが、この関節の動きは、小さい皿(関節窩)の上をバスケットボール(上腕骨頭)が回っているように不安定なものです。不安定だからこそ腕はぐるぐる動き、上体のあらゆる動きに対応できるようになっているのですが、そのぶん関節自体は緩く、脱臼や靭帯損傷を起こしやすい構造をしています。そこで関節窩の小ささを補い、上腕骨頭をしっかり関節窩(かんせつか)にくっつけておくために、関節の周りは軟骨のような組織である関節唇(かんせつしん)で覆われて保護されており、さらに多くの筋肉や靭帯がいろいろな方向から肩に付き、関節を守っているのです。

「僧帽筋(そうぼうきん)」 広背筋と並んで大きく広く、そして表層に走っています。首から肩にかけて広がる筋肉です。具体的には背中に十字を描くように走っており、上は後頭骨、左右は肩関節の肩峰、そして下方向には頸椎から胸椎下部(12胸椎)までカバーするアウターマッスルです。 僧帽筋はその頒布範囲に負けない非常に多彩な役割をもった筋肉で、上方部は肩甲骨を持ち上げ、中間部分は背中側へと引っ張り、下方部は下方へと引き下げます。 肩の動作には殆ど関わる重要な筋肉です。中部は肩甲骨の引き上げ、回旋などに関わり、下部は肩甲骨の内転などに関わります。 この筋肉は肩甲骨と上肢を支える役割を果たします。 つまり、背筋を伸ばすだけではなく胸を張って良い姿勢にする重要な役割があります 動作の有無にかかわらず、胸部の姿勢を保つために働いています。 またほとんどの腕の動きにも関わっている重要な筋肉です。 そしてこの筋肉は疲れてくると、胸を適度に張った良い姿勢から猫背ぎみになってきます。 僧帽筋のパワーがなくなってきたからです。 猫背になると頭が下がり、肩の位置が前に行き、 僧帽筋はちょうど重りをつけて引っ張られた状態になってしまいます。 このような状態は僧帽筋に更なる緊張が走り血液の流れも悪くなります。 こういう状態になってくると「肩こり」と呼ばれるものになってきます。

「三角筋(さんかくきん)」 肩関節の部分に覆いかぶさるように位置している三角形の筋肉です。 「鎖骨」「肩峰」「肩甲棘」の三箇所から伸び、大腿骨へと被さります。 前側の部分は肩関節の屈曲や内旋に関わり、後ろの部分は肩関節の伸展や外旋の動きに関わります。腕を上げたり下げたりする動きや腕を水平に広げるなどの動きに関わります。 腕の筋肉というとどうしても上腕筋が注目されがちですが、実はとても重要な筋肉なのです。

「肩甲拳筋(けんこうきょきん)」 肩甲挙筋は、文字通り肩甲骨を上方に引く働きをします。背部の筋肉の棘腕筋のうち、頸椎と肩甲骨をつなぐ筋肉です。また、僧帽筋の下にあるインナーマッスルで、上位の頚椎の横突起に付着している為、筋肉の走行は斜め内方です。下方やや外側に向かって走り、肩甲骨内側縁に付着します。したがって、この筋肉は、肩甲骨を上方に引くことと同時に、内方へ引きます。この動きは、小菱形筋と共に、肩をすくめる動作をした時に、僧帽筋と機能し緊張します。細い筋肉ですが重い腕を引き上げるのに役立っています。首を倒す時には左右どちらか一方の肩甲拳筋が働いてます。 不良姿勢などによる肩こりでは、この筋肉にも不快感や重苦しさ、痛みを感じることがあります。 リュックやショルダーバッグをかけることなどにより負担のかかる筋肉の一つです。


「棘上筋」と「棘下筋」は肩を回す動作で使われるインナーマッスル(深部にある筋肉)の2つの筋肉です。これとは別に肩甲下筋・小円筋という筋肉も肩をまわすときに使われる筋肉です。これら4つの筋肉を総称してローテーターカフ(回旋筋腱板)といいます。

「棘上筋(きょくじょうきん)」 僧帽筋と三角筋のアウターマッスルに覆われています。肩甲骨の上側から肩関節にかけて走り、腕を横に上げる動作に関わっています。 また棘上筋は、肩が抜けないよう(肩脱臼)上腕を引き付け、安定化させる働きがあります。力を入れずに腕をだらりとと垂らした時(安静下垂時)にも、この棘上筋のみが常に肩関節安定のために緊張しています。 肩甲棘の上部を探ってみると、触診する事が出来ます。肩関節の異常の場合に、よく疑われるのが、この棘上筋です。外転して維持することが出来ない場合や、痛みがでる場合は、この筋に異常が考えられます。五十肩が疑われる場合は、この回旋筋腱版の異常もなく、更に整形学的には、なんら異常が見当たりません。抱縮が出現すると、これらの筋肉に痛みが出ることは多いです。 肩甲骨の肩甲棘の上側に走る筋肉です。肩甲骨から上腕骨へとしっかりつ結ばれており、三角筋やその他の外転作用を司る筋肉に一方的に肩関節が振り回されないように安定させているのがこの棘上筋なのです。この筋肉が機能不全を起こしてしまった場合には肩関節が正常な稼動を行えず、靭帯/腱を痛めてしまうきっかけになる可能性がとても高いです。 ※四十肩/五十肩の主原因は「関節部位における炎症作用」が主な原因となります。ここで述べている筋肉はあくまでその炎症反応の結果、負担がかかり、機能不全を起こしやすい筋肉群となります。

「棘下筋(きょくかきん)」 こちらも僧帽筋と三角筋の下にあるインナーマッスルです。肩甲骨の下部を覆い、腕を水平に動かしたり、外側に捻る時に使う筋肉です。また、腕を回す時にも働き、棘下筋ですが、特に肩が後方へ下がらないよう安定させる筋肉です。 肩甲骨後方から上腕骨へと走っています。 肩甲棘の下部を探ってみると、触診する事が出来ます。肩関節の異常の場合、棘上筋と共によく疑われますのが、この棘下筋です。外旋して痛みがでる場合や内旋でのストレッチでの伸長痛は、この筋に異常が考えられます。五十肩が疑われる場合は、この回旋筋腱版の異常もなく、更に整形学検査的には、なんら異常が見当たりません。抱縮が出現すると、これらの筋肉に痛みが出ることは多いです。

「前鋸筋(ぜんきょきん)」 肋骨の脇から、肩甲骨に繋がる筋肉です。ギザギザとした鋸のような形状が、その名前の由来です。 前鋸筋の主な働きは、肋骨を持ち上げての呼気作用、及び肩甲骨の複雑な動きの補助です。 前鋸筋(ぜんきょきん) 胸郭の両外側面にある三角状で薄い板状の筋を事をいいます。前鋸筋は、その底辺にあたる部分を前方に向けた形で第1~第9肋骨(ろっこつ)に鋸歯(きょし)状に付着しています。筋はこの部位からおこり、後方に向かって胸郭と肩甲骨との間を進み、肩甲骨の内側縁でその前面につきます。前鋸筋は、全体として肩甲骨を前方に引く働きがあります。また、この筋の下部3分の1ほどは、とくに筋が発達しており、肩甲骨を下方に引き下げようとするため、肩甲骨は回転して上腕の外転や屈曲を助けることになり、なお、前鋸筋が麻痺(まひ)すると、同側の上腕を水平にあげることができなくなります。 肩甲骨を急速に前方に押し出す、ストレートパンチなどの動作の際にも、この前鋸筋は強く作用し「ボクサー筋」とも呼ばれる筋肉です。

「小菱形筋(しょうりょうけいきん)」 僧帽筋の下、肩甲骨の間の上部にある菱形の筋肉です。 小菱形筋は正に読んで字の如くです。大菱形筋をサポートする働きをもっています。その筋付着部位も大菱形筋の真上です。サポート役の筋肉ですので、その役割はやはり「肩甲骨の引き寄せ(中央へ)」になります。

「大菱形筋(だいりょうけいきん)」 僧帽筋深部に走る「インナーマッスル(深層筋)」の1つです。脊椎から左右の肩甲骨まで 走ります。主な役割は肩を引き上げる作用となります。 大菱形筋は菱形筋の下部、主に胸椎から始まる菱形筋を指します。 懸垂の運動を行う際に最も活躍する筋肉がこの大菱形筋となります。肩甲骨をググッと脊椎に向けて引き寄せる運動を行う筋肉です。筋付着部位は健康骨の内縁上部となっており、胸椎へと伸びています。

「頭板状筋(とうばんじょうきん)」 頚板状筋と対をなす頚椎にかかる筋肉。「インナーマッスル」と呼ばれる 深層の筋肉の1つです。胸椎から頭部の乳様突起まで連なります。 左右の頭板状筋が収縮すれば首を後ろへと傾き、どちらか片一方が収縮すれば収縮した筋肉側に 頭が回転をします。

「頸板状筋(けいばんじょうきん)」 頭板状筋と対をなす頚椎にかかる筋肉。「インナーマッスル」と呼ばれる 深層の筋肉の1つです。胸椎から頚椎へと走ります。 左右の頭板状筋が収縮すれば首を後ろへと傾き、どちらか片一方が収縮すれば収縮した筋肉側に 頭が回転をします。

「頭半棘(とうはんきょくきん)」 首の後ろ側に位置する筋肉の中で、最も深層にあります。また、最も大きい筋肉です。頭を後ろに傾けたり、反らせたりする時に働きます。この筋肉に不調が起こると、首が前に突き出たようになります。 その筋線維は、第7頚椎と上位6または7個の胸椎の、第4~第6頚椎の関節突起から起こり、後頭骨の下面に停止します。その機能は、頭の強力な伸筋です。
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