慢性症状 > 肩こり > 肩こりの本当の原因としくみ
肩こりのその他のトピック 肩こりの筋肉学 肩こりへの整体施術
まずは姿勢をおさらいしてみましょう。

悪い姿勢の状態とは?
それは長時間同じような姿勢を取り続ける状態です。
実は良い姿勢であっても、それが持続的になると少なからず筋緊張が起こるのです。
良い姿勢の状態とは、背骨が自然なS字カーブを描いている状態なのですが、その状態を維持しようと頑張るとやはりコリが生じる可能性が高まるのです。

肩こりの負の連鎖
その始まりは、椎間板の老化です。 肩こりの原因のひとつは椎間板の水分が減り、頸椎などの連結がガタガタになることです。この症状が出てくると、その後はドミノ倒しのように負の連鎖が生じ、コリは慢性化していきます。肩こりの発症が椎間板が硬くなる20代~30代に多いのがその証拠です。
継続的な猫背/前傾姿勢で、肩の筋肉が常に引っ張られる。
↓凝りで筋肉が硬くなると筋肉の内圧が上がり毛細血管の血行が悪くなる。老廃物が発生する。
↓血行が悪くなり緊張状態が続くと神経刺激物質の分泌が起こり、神経を介して痛みが脳に伝わり、痛みの情報が自律神経に影響する。
↓自律神経はますます筋肉をこわばらせる。
↓筋肉が硬くなると、筋肉の内圧が更に上がり毛細血管の血行が悪くなる。老廃物がさらに発生し、このサイクルで肩こりが酷くなったり慢性化する。
↓老廃物が科学的な変化を起こし、これが神経を刺激することもある。
こうして肩こりが肩こりを呼ぶのです。


筋肉を覆う膜と神経の重要性

筋肉や骨以外にもコリや痛みの原因が考えられます。それは体を覆う薄い膜の存在です。
頭皮とその下の脂肪の層をめくると、額周辺には前頭筋、こめかみの辺りには扇状に広がる側頭筋、そして、後頭部には後頭筋という筋肉があります。
これらの筋肉に繋がって頭の後ろ半分を覆っている一枚の膜があります。帽状腱膜といいます。ユダヤ教のラビが被る帽子のような形をしていることが由来です。

あるエピソードがあります。
高齢になると瞼が下垂する場合があります。その状態になった人が、後頭部や首の痛みを訴えるようになったといいます。しかし、瞼を引き上げる整形外科的な処置をすると、そうした痛みが改善したという例があります。
その原因は、帽状腱膜が緊張するのではないかといわれています。瞼を引き上げようとして前頭筋をしょっちゅう収縮させることで、帽状腱膜が引っ張られて、後頭部や首の痛みが生じるようになったという仮説です。
一方、帽状腱膜に繋がる形で首の後ろには項靱帯という膜があります。これは、筋肉や各組織を覆う筋膜と同じものです。この部分が緊張して必要以上のテンションがかかると首に痛みが起こるといいます。首のコリ、痛みに関しては筋肉が硬くなることにより、これらの筋膜の突っ張りが原因と考えられます。不自然な姿勢によって凝りや痛みが起こるのは、筋肉が全ての原因ではありません。

◎前頭筋...額の部分にあり、眉毛や瞼を引き上げる時やおでこに横ジワを作る時に作動する筋肉で、収縮すると帽状筋膜が手前に引っ張られて、腱膜のテンションが高まります。
◎側頭筋...こめかみの部分を広く覆う筋肉です。口を閉じて歯を噛み合わせたり、ものを咀嚼する時に作動します。下顎を手前に引くときにも働きます。帽状筋膜を支持する筋肉のひとつです。
◎後頭筋...後頭部を覆う筋肉で、帽状筋膜を後ろに引っ張り、額のシワを伸ばしてフラットな状態にする時に働きます。頭蓋骨を覆う3つの筋肉の中では、もっとも収縮の動きが小さい筋肉です。
◎帽状腱膜...ピンと張ったセロハンのように頭蓋骨の上を広く覆っているのが薄い帽状筋膜です。頭頂部には筋肉はなく、この腱膜だけでカバーされています。この腱膜の緊張が続くと首痛の原因になります。


原因は神経にもあります

ひとつは、自律神経です。これは、脊椎に沿って走っている全身の生体機能を司る神経です。 昼間の活動を促す交感神経と、夜の休息時に優位になる副交感神経の2種類あります。これらがバランスよく切り替わることで、人は24時間のサイクルを穏やかに過ごすことができます。その中枢が頸椎の左右にある星状神経節という部分です。ここに不調が起こると汗をかきにくくなったり、瞼が開かないといった重要な症状がでてきます。強いストレスが持続的にかかると、この星状神経節の働きが不安定になったりします。その結果、例えば交感神経の働きが過剰になり、血管が収縮して血流だ悪くなります。また、外界からの刺激に対する認知が狂い、ささいな刺激を強い痛みとして捉えてしまうこともあります。要するに、自律神経の乱れも肩こりの原因となりえるのです。
◎星状神経節...首長筋の上にある神経です。位置は鎖骨の付け根の辺りになります。星状神経節は、頭・顔・首・腕・胸・さらに心臓や肺などの機能を司る自律神経の中枢です。


姿勢

長時間のデスクワークを行っている方は肩こりがひどいケースがあります。同じ姿勢を取り続けることで、特定の筋肉が収縮し続け、姿勢筋の働きが低下し、バランスを崩してしまい、頭部や腕を支える頚部の筋肉に負担が生じます。頭部の重心が数センチ前になるだけでも、頚部の負担は相当なものです。
そのような状態が続いて同じ姿勢から解放される機会が少ない場合は、筋肉の緊張が慢性的になり、肩こりを感じるようになり、血行不良も起こすようになります。


肩こりと噛みあわせの関係

人にはいくつもの関節があります。その中でも顎の関節も重要です。顎の関節は体の一番端の関節です。それだけに、体の歪みがとても反映されやすく、ズレやすい関節でもあります。そのズレた関節の状態で噛むことで、ストレスが生じたり、交感神経が刺激され、首や肩の筋肉が緊張状態に陥ってしまいます。「噛む」という動作には思った以上に多くの関節が使われています。こめかみの部分の側頭筋、頬の咬筋、下顎の外側翼突筋、内側翼突筋をはじめ、首筋細かい筋肉や肩の筋肉も連動しています。関節がズレて上下の噛み合わせが悪いと、これらの筋肉に余計な負担がかかってしまいます。普通の人でも30分程度は歯ぎしりしていますが、ストレスを抱えたまま、関節がズレ緊張が強いと、2、3時間は歯ぎしりすることがあります。朝起きた時に疲れている、首や肩がこわばっているという場合は長時間歯ぎしりしていることが考えられます。
対策としては、箸の真ん中を前歯で噛んで鏡に映します。箸の高さが左右違っている場合は噛み合わせがズレていると考えられます。眉、箸、肩を水平になるように矯正し「イーッ」と声に出して笑って3分間待ち、最後には首を回し筋肉をほぐします。また、オーダーメイドのマウスピースも有効です。


精神的なストレス

精神的なストレスにより体を緊張させる神経系(交感神経)の働きが優位になり、首・肩周辺や背中上部の筋肉が硬くなってしまうことがあります。
一時的な緊張なら緩和させやすいですが、連日精神的な緊張にさらされると肩に力が入ったまま脱力が出来ない状態が続きます。(慢性化)
また、肩こりを訴えている人の多くが「自分は重労働を強いられている」と感じているそうです。あなたはどうでしょうか?


歩き方と肩こりの関係

日本人は膝から下で歩いていることが多いといいます。欧米人は股関節から脚をだして颯爽と歩くのに対して日本人は膝関節を曲げて歩いている人が多くみうけられます。膝が曲がる→上体が前方に傾く→顎が前に出て首のカーブの反りがきつくなる。結果的に首や肩の筋肉に負担がかかってしまいます。肩こりが慢性化すると、ますます姿勢が悪くなり、さらに筋肉の凝りが増していきます。これを改善するには、正しい歩き方を意識して歩くことが重要です。前屈みになっていないか意識して、胸を張って歩く癖をつけましょう。


手|腕の疲労

肩こりによって肩周りの筋肉の機能低下が起きることがよくあるのですが、それが不良姿勢につながり、手・指の動作に負担をかけることがあります。 すると、手・腕の筋肉が疲労しやすくなりますが、その二次的な影響によっても肩こり状態から脱しにくくなる可能性があります。


目の疲労

目からの不快感から肩こりを起こす筋肉が緊張するように作用することがあり、肩こりや首筋の張りを生じるケースがあります。目を酷使する際に精神的緊張が加わると自律神経系を乱すことにも繋がり、肩こり悪化やストレスによる視力低下も招きやすくなります。繰り返しピントを合わせるような作業(パソコンのモニターを注視するなど)が続く場合は要注意です。


冷えなどの温度に関するもの

寒い場所にずっと居なくてはならない場合、体には自然と力が入り、毛細血管を収縮させ体温を逃がさないように反応します。また、時には自律神経系をも乱すことがあり、肩こりが悪化する可能性が高いです。


ストレートネック

ストレートネックであることがあなたの肩こりの一番の原因かもしれません。
ストレートネックとは緩やかなS字カーブが失われた頚椎のこと。
本来は、S字カーブにより荷重負担や衝撃の分散をしているのですが、 これが失われたことにより、もろに首や肩周りの筋肉だけで6キロほどもある頭部を支えなくてはいけません。あなたはずっと6キロの荷物を持ちあげていられるでしょうか?

そして、首・肩周りの筋肉は緊張しっぱなしになり、血行不足になり、しかもそれが慢性的であればあるほど日常的に肩が凝っているような感覚になるのです。

ストレートネックは肩こりだけではなく、頭痛、手腕の神経障害、吐き気、不眠、集中力低下、うつ症状を引き起こすので注意が必要です。


電磁波によるストレス

近年、電磁波によるストレスにより身体に電磁波が帯電し、肩こりや頭痛に影響を及ぼすケースも報告されています。


いわゆる肩こり以外の痛みの原因とは?

血行不良以外の原因で、肩こりの症状が出ることがあります。
中には病気が原因で肩こりを感じることがありますから、いつまでたっても楽にならない肩こりは要注意です。

むち打ちによる頚椎ねんざ

追突事故などで発症。首を固定する筋肉と靭帯の損傷。手足のしびれ・だるさ等の自覚症状。めまい、耳鳴り、吐き気を伴うことが多い。

胸郭出口症候群

鎖骨周辺で神経や心臓から続く血管が圧迫される。首が長く、なで肩の女性(20〜30代)に多く、腕や手のしびれ、熱感・冷感、脱力感がある。首や肩を特定の姿勢にすることでしびれや痛み、手指の色の変化が現れる。肩を挙げにくくなる。

肩関節周囲炎(四十肩、五十肩)

加齢とともに、肩にある腱板の炎症や部分断裂、腱板の上にある袋(肩峰下滑液包)の炎症や癒着により、肩が動かしにくくなる。髪にブラシを掛けたり、背中に手を回すことが困難になる。

頸部脊椎症

頸椎の繋ぎ目である椎間関節がすり減る病気。首や肩、腕の痛みや手足のしびれなどが初期症状。手や指の運動障害や歩行不安定などが進行する。

頸椎椎間板ヘルニア

首、肩、腕の急激な痛みが発症する。首が痛くて動かせないことも。脊髄圧迫症状を起こすこともある。

頚椎後縦人体骨化症

頸部脊椎症と似ているが、脊髄の圧迫症状起こす傾向が強い。CTなどの画像検査を行う。

頚椎の関節リウマチ

進行すると頸椎病変を起こす。頸椎の運動に伴って音がするというケースがある。

その他の考えられる原因

◎肝臓の病気による右肩の痛み
◎心筋梗塞や狭心症による左肩の痛み
◎転移性のガンによる肩の痛み
◎胃腸障害による肩甲骨と背骨の間の痛み
◎肺結核や肋膜炎による首から背中にかけての痛み


肩こりの本当の原因としくみ|仙台・長町のコクリ整体